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遠州大会(3回戦)

土曜日の遠州大会初日、宮園スポーツ少年団に勝利し、二日目の3回戦に駒を進めた。

土曜日の試合、勝利をしたものの、決していい内容とは言えない一戦であった。

選手たちにも、こういう試合をしていては次は勝てないと釘を刺す。


そして、迎えた3回戦。

対するは、浜松ブラッツ。


大久保グラウンドで試合は開催された。

ヤンキース後攻で試合は始まる。


本日の選手たちは、いい【ノリ】をしていた。

先発投手も投球練習から乗っていた。

普段にはない高いマウンド。

投球練習中に、マウンドの高さを考えろと声をかけると、次の球から、きっちりと修正する。

意識がしっかりと持てている状態だ。


試合が始まり、その球筋も、いいノリの通り。

いいコースを突き、相手に思うようにさせない。


3回まではお互い点数を取る事が出来ない。

相手の先発投手は荒れていてFBが多いが、点数を取る事が出来ない。

せっかくのランナーを帰しきれないのは、ここぞの弱さである。


そして、4回、点が動く。

先発投手もここまでテンポよく投げて来たため、球数は全く行っていなかったが、3番打者に珍しく高く浮いた球を、うまく当てられ安打を許す。

その後、ちょっとした守備の乱れの後、また高めの球を合わせられ、ついに失点を許してしまう。

ここで球数を残したまま、投手交代。

続く打者にうまく打たれ、追加二失点をするものの、その後の打者はきっちりと切る。


4回表を終わり、3点差。

ここからが、今日の選手たちの勢いが違った。

全く、彼らの目は死んでいなかった。

むしろ、全員が【勝てる】目をしていた。


その裏、選手たちの【空気】が盛り上がっていく。

先頭が倒れるも、続く打者の一打。

この選手の一打はチームを盛り上げる。


そこから四死球で押し出しの一点。

先頭打者の押し出しFB。

彼には安打を打って帰す能力はあるものの、四球を選び、最初の1点を奪った。

この四球…局面を考えると、非常に大きな意味を持つ四球である。


そして、ワンナウト満塁。


同点、もしくは逆転の目が見える。


しかし続く打者が、ツーボール、ノーストライクから、痛恨のサインミス。

突然のスクイズ慣行。

サインは出ていないので、もちろん3塁ランナーもスタートを切っていない。

しかもそのバントは見事に投手前へ。

ホームゲッツー。

逆転のチャンスが消えた。


流れが持っていかれたと思ったプレーであった。

しかし、今日の彼らのノリは違った。

守備でも、好プレーが続く。

どのプレーを取ってみても、こちらに流れのあるプレーが飛び出す。


守備から作る試合の流れ。


そんな言葉がぴったりくる。

そして、ワンプレーに一喜一憂しあう選手たち。

いい雰囲気だ。


コーチの私も、選手たちに声を掛けた。

【負ける気がしない】と。


5回裏にキャプテンの一打からさらに1点を取り返す。

相手の選手の守備も乱れ、完全に流れがこちらに傾く。

しかし、ここぞという所で打者が倒れ、追加点が取れない。


しかし、この時点で感じていた。


この勢い、この流れ、6回裏…いけると…。


もちろん選手たちの目も、心も、全く折れていない。

むしろ狩る側の目をしていた。


そして6回の表の守備でも好守が飛び出て、流れがこちらにあると感じさせた。


6回裏、先頭打者の当たり。

芯を食ったいい当たりだったが、相手の選手の好守に阻まれる。


その後、二番三番と倒れ、一歩及ばず。

試合終了となった。


試合には負けたが、今日の試合は得るものが多かった。

何より、今日の試合の雰囲気は最高によかった。

彼らの前を見る眼差し。

仲間を思う行動。

野球を【楽しむ】気持ち。

それが、作り出す好守と流れ。


今日試合を見ていた控えの選手たちにも、その空気は伝わった。

それゆえ、チームが一丸となる。


この試合に参加した選手、この試合を見た選手には、大きな宝となるだろう。


野球はチームで、同じチームの仲間とやるもの。

一人でやるスポーツではない。

仲間がいて、仲間を助け、仲間に助けられ、勝利を勝ち取る。


今日の空気で試合が出来れば、いい選手になる。

そして強い【チーム】になる。


まだ終わりじゃない。

最後まで走り抜けろ、最後まで成長し続けろ。





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