黒潮大会
県大会に繋がる最後の大会、黒潮大会が開幕となった。
初戦に戦うのは、県大会出場の浜松ドリームアローズ。
ヤンキースは先行。
序盤、打撃の方は出塁はして、クリンナップに回すものの、そこでの一押しが出ない展開が続く。
守っては、先発投手の球の伸びはないものの、いい所をつく投球。
しかし、一つの四死球から、盗塁を許し、エラーにて失点してしまう。
これまでのチームの流れと違うのがここから。
3回以降、その悪い流れを引きずらなかった。
守りでもいいリズムとテンポを生み、好プレーも飛び出す。
そして、迎えた6回の表。
相手からもらった四死球から、2点を取り逆転に成功。
続く最終回の表には、ついに、クリンナップの一打が生まれた。
3番の一打。
この一打が、チームに更なる勢いを与えた。
そこから、一挙7得点、ビックイニングを作る。
そして、試合は10-2と大勝となった。
この試合の空気は今までになく、先制が取られているものの、中盤以降、選手達に『いける』という空気が漂っていた。
それは、投手のテンポや守備の締まり具合、そこから作られた『押しているムード』。
そのムードは最後に大きな攻撃を生んだ。
充分、勝てる実力は持っている。
この空気を作る事さえ出来れば、勝てる『チーム』なのだ。
最初のミスから生まれた悪い空気を引きずらず、いい方向へ持っていけたからこそ生まれた勝利。
どうやったら、この空気を作れるのか、味わえるのか、楽しめるのか・・・
それを考えて欲しい。
ただ、試合に勝った負けた、だけでなく。
そして、二回戦、相手は浜松コンドルズ。
先発投手は全体的に球が高めにいくも、大崩はなく大量失点には繋がらない。
しかし、一試合目の守備の空気はなく、ここぞという所でのエラーや、個の守備範囲の判断ミスなどで、じわじわと失点を重ねてしまう。
攻撃の方にも繋がりが見られず、前試合で一打を放った3番のホームランも、その流れは単発で切れてしまう。
そんな中、6回にチャンスが訪れる。
2番、3番が作ったチャンス。ここでこの試合の4番。
当たりは決していい当たりではなかった。
しかし、この選手には今年の今までの試合でも、チャンスで結果を残す強さがあった。
その強さが光る。
この選手の『チャンスに強い』力で2点をもぎ取る。
もちろんいい当たりが出るときもあるし、そうでない時もある。それでもチャンスに結果を残す、それがこの選手の凄さだと思う。
そこから追い上げムードと行きたいところではあったが、その裏に連打から失点をしてしまい、最終回の攻撃は3者凡退。
流れを取り戻せず、敗退となった。
一試合目の『空気』は、そこにはなかった。
これで、県大会へ繋がる大会は終わりを迎えた。
しかし、彼らの野球が終わった訳ではない。
どうやったら勝てるのか?勝った時はどうだったのか?負けた時はどうだったのか?
それを考えて、残る試合に向き合って欲しい。
勝てるチームなんだから。